「ベルサイユのばら」で学ぶ美しい日本語 

 

4. 7月 

 

ついに…陥ちたか…!

おお!!

果敢にして偉大なる

フランス人民よ…

自由…

平等…

友愛…

この崇高なる理想の

永遠に人類の

かたき礎たらんことを…

フ…ランス……ばんざ…い…!

 

《解説》

 

 7月14日、フランスではパリ祭が行われます。パリ祭は、1789年7月14日にバスティーユ牢獄がパリ市民によって陥落し、フランス革命が始まったことを記念して行われるお祭りです。パリ祭が近づくと、シャンゼリゼ通りをはじめ、パリ中の街路や建物が三色旗で飾られ、クリスマスに負けず劣らず美しい眺めが出現します。

(ちなみに「パリ祭」というのは日本で付けられた名前で、フランスでは「カトルズ・ジュイエ(7月14日)」と言います。)

 1789年7月14日、パリ市民がバスティーユ牢獄を攻撃したとき、市民の側に寝返った国王軍がありました。それがフランス衛兵隊です。

「ベルサイユのばら」の作者、池田理代子さんは、このフランス衛兵隊の隊長がなぜ市民の側に寝返ったのか描こうと思ったそうなのですが、中年男性の心理はよくわからない。そこで、この隊長を女性にすることにした。それがオスカルさまになったというわけです。

 上のせりふは、敵の銃弾に撃たれたオスカルさまが、死の間際にバスティーユ牢獄が陥落したことを知り、最後の力をふりしぼって語った辞世の言葉です。(享年33才でした。)

 フランスの国旗である三色旗の青白赤の色は、それぞれ自由・平等・友愛を表すと言われています。オスカルさまたち果敢で偉大なフランス人民が、命を賭して勝ち取った自由・平等・友愛という崇高な理想が、永遠に人類のかたき礎であり続けることを私も願ってやみません。

 
          (注:このエッセイは、2005年に中学3年生に向けて書かれたものです。)


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