「ベルサイユのばら」で学ぶ美しい日本語 

 

1. 4月 

 

ふりそそぐ金色の光の中……

もえるような紅に映える近衛服

ブロンドの髪ひるがえし

馬上ゆたかに指揮をとる

あ……あ!

青い瞳

その姿は……

さながら天に吼ゆるペガサスの

心ふるわす翼にもにて……

ブロンドの髪ひるがえし

ひるがえし……

 

《解説》

 

 ある本の中で、『ベルサイユのばら』の作者、池田理代子さんが、この作品について「なかんづく重要なことであるが《美しい日本語》を学ぶための教科書としても、十分におもしろく読み応えのあるものになるようにとの配慮は怠らなかったつもりである。」と、書いていらっしゃるのを目にしました。

 なるほど…。どおりで私が30年間、『ベルサイユのばら』の中にちりばめられた《美しい日本語》の数々に心を奪われてきたわけです。

 『ベルサイユのばら』の中には30年以上たっても色あせない《美しい日本語》があります。それらを皆さんにお伝えするのも国語科教師としての私の務めでしょう。

 奇しくも今年は、『ベルサイユのばら』の主人公の一人であるオスカルさまの御生誕250周年、私がこの作品に出会って30周年に当たります。この節目の年に『ベルサイユのばら』にちりばめられた《美しい日本語》をこれから皆さんにじっくりお伝えしていこうと思います。

 とりあえず今回は、幼なじみ、かつ、身分違いのオスカルさまに密かに恋心を抱くアンドレが、近衛隊で指揮をとるオスカルさまを遠くからまぶしそうに見つめながら作った歌の詞を紹介します。「ペガサス」というのは神話などによく出てくる翼のはえた美しい馬、天馬のことです。このペガサスの翼のように美しいオスカルさまが目に浮かぶようですね。

 
          (注:このエッセイは、2005年に中学3年生に向けて書かれたものです。)


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